伊勢海老のいない市場とイオンのクリスマスロブスター作戦!

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2013/12/25時点の記事です。
さてるです。
普段はiPhoneアプリについての記事を書いてますが、今回は本業の魚屋に纏わるネタをひとつ。

豪華おせちには伊勢海老

豪華なおせちのネタといえば、
縁起物の伊勢海老を思い浮かべる方も多いでしょう。
私が勤務しているスーパーでも、
毎年2、3尾程度ですが、品揃えをしておりました。
ところが、今年に限って市場から案内がありません。
伊勢海老が市場から姿を消してしまっているのです。

ロブスターが¥980也?!

本日はクリスマス。競合のイオンではロブスターを¥980という破格の値段で販売してました。もちろん、単なる大盤振る舞いではありません。前述の伊勢海老の件と大きく関係しています。

全ての発端は例のホテルの食品偽装から

今年10月、複数のホテル、レストランでメニューに実際には使用していない食材を表記していた(誤表示と言い訳していましたが、間違いなく偽装でしょう。)という報道があり、世間を賑わせました。
その中で、
“ロブスターを伊勢海老と偽って…云々。”
という一件がありました。
この件で、農水省より指摘を受けた某ホテルや同様のことをしていたホテル、レストランが一斉にサイズの揃った伊勢海老を市場の言い値で買い付けました。
それによって、各地で漁獲量の制限がある伊勢海老は、市場より姿を消してしまったのです。
無くなった伊勢海老に代わって、逆に、本来買ってもらえるはずだった、ロブスターが余ってきます。
そこをイオンの有能なバイヤーがクリスマスの販促に使えると考え、¥980で売れる物量をかいしめたのだと思います。
競合ながら、素晴らしい判断。
もし、ロブスターをクリスマスにチキンと合わせてたべる習慣が、節分の恵方巻きのように全国の家庭に根付いたら、今後、莫大な売上を作ることになります。

男の仕事は決断

今回の件からの学びは、決断力。
ネット社会の現代では、有益な情報を得るチャンスは誰にでも平等に与えられています。断片的な情報から、成功までのストーリーを描く力は、もちろん大事。
しかし、成功までのストーリーの中にリスクが存在する場合、それを恐れず実行するとなると自分はどうだろう。
資産もスズメの涙だし、家族に危害を及ぼす訳にはいかない。でも、そんな事を考えていたら何も始まらないよね。
まず、優れた決断があり、それが周りのサポートを生んだり、運を呼び込んだりする。
覚悟が出来てないせいで、多くのチャンスを棒に振っているヒマはない。
イオンに競合偵察しながら、チョット考えたさてるのクリスマスでした。